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FUN!HOUSE! SOFAの進捗報告 Vol.3

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Vol.3 ~生地にまつわるエトセトラ~

 

 

さて、座り心地とデザインのはざまを行ったり来たりして見事に完成した参号機。

 

このVol.3ではまだ完成とは言えない要因である「生地」についてお話ししたいと思います。

 

これを書いている現時点でまだゴールにはたどり着いていないので、このブログは完成までもう少し続きます。

 

ソファにおいてその張地は命です。

 

どんなに座り心地がよくても、中身をしっかり作っても、結局そのソファが醸し出す雰囲気は張地によって決定づけられます。

特に今回は「スタンダード」を細かなディティールへのこだわりで「洗練されたもの」へと移り変わらせる小嶋良一デザイン・監修のソファです。

そう簡単ではありません。

 

ところが、です。理想の生地にいとも簡単に出会ってしまうのです。最初は。


生地選定をはじめ、まず以前より取引のある都内の輸入生地屋さんに小嶋さんと2人でお伺いしました。

そこで物色をして数分、2人で「せーの、これ!」ってなタイミングで一致したのがこの参号機に張られているアメリカ産のデニム生地でした。

 

特に最初からデニムにしようと決めていたわけではなく、ソファでデニムを使うというのは最近ちょっと流行だったりして、

どちらかと言うと「奇をてらう」感じで僕たちの目指すところではなかったのですが、

この生地はその小さなサンプルからも伝わってくるデニムなのにどこか上品な風合い、つまり洗礼された感じが2人共にビビっと来たのでした。

 

後日談ですが、その記事を選定している様子をスタッフが撮ってくれた写真を後から見ると、僕と小嶋さん2人共に上下デニムを身にまとっていました。

2人ともデニムが好きだったんです。

 

 

輸入生地問屋さんで思わず理想の生地に出会ってしまった僕と小嶋さん。この時2人とも上下デニム。

 

で、この生地はアメリカから輸入されたアメリカ産。

今度はMANUALgraphのこだわりとして国産にこだわりたい。

そこでこの生地屋さんにお願いして、この生地をもとに同じ風合いのものを国内の幡屋さんに作ってもらうことにしました。

 

サンプルを待つこと数か月。

その感に僕たちはこのアメリカ産の生地を使って「弐号機」を完成させます。

この時点で座り心地とデザインのはざまはまだ未完成までも、実際にソファにしてみたこの生地の醸し出す風合いは想像以上で完ぺきでした。

 

そうこうしている間に生地屋さんから国産生地のサンプルが上がってきました。

「何か違う、いやだいぶ違う…。」

それもそのはずでした。

ジーンズなどで使うデニム生地は綿でできています。

 

ところがソファなどで使う、国内のいわゆるインテリア業界で生産・流通する生地は、ポリエステルなどの化繊が多く、綿は使われていません。

 

今回上がってきたサンプルは、インテリア業界の幡屋さんがデニムに似せて作ってくれたポリエステルでできた「デニム風」の生地でした。



本物のデニムを生産するには、アパレル業界のデニム専門の幡屋さんにお願いするしかありません。

でも、アパレル業界につてなんかありません。

今はインターネットを使えば、デニム生産業者さんに簡単にアクセスすることはできます。

でも、こんな小さな会社が「ソファ用のデニムを作りたいんです!」と電話したところではたして相手にしてもらえるだろうか。

 

そんな風に思いながら、ネットでいろいろ調べていると近々ちょうど、アパレル用の生地の展示会が都内で開催されるという情報にたどり着きました。

 

デニムと言えば岡山です。ネットで知った有名な岡山のデニムメーカーも数社出展の予定です。

直接話せば取りあってくれるかもしれないと思い、早速その展示会へ。

 

お目当ての岡山のデニムメーカーさんの他、いくつかのデニム専門業者さんに、最初に輸入問屋さんで出会ったアメリカ産のデニム生地のサンプルを持って

「この生地に似たデニムでソファを造りたいんです!」と掛け合ってみました。

 

するとどの業者さんも思いのほか好意的に取り合ってくれ、いくつかの業者さんがサンプルを送ってくれることになりました。

 

そしてここからがまた次の戦い(というのは大げさかな?)の始まりでした…。

 

アメリカ産のデニムを張った参号機に座る2人。あまりの座り心地の良さに2人同時にうたた寝してしまう。

 

Vol.4へ続く

 

2017年8月30日
MANUALgraph代表 鈴木 大悟

FUN!HOUSE! SOFAの進捗報告 Vol.2

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Vol.2 ~すわり心地とデザインのはざま~

 

 

 

前回では「FUN!HOUSE!SOFA」開発からデザインまでをお話ししましたが、Vol.2では試作を始めた過程をお話ししたいと思います。

 

デザインが上がり、まず1回目の試作を始めました。

ソファは、ざっくり言うと木と布とウレタンと綿と羽、その他様々な素材が重なり合ってできています。

特に生地の風合いだったり、クッションの微妙なまるみだったりふくらみだったり、

図面では表現しきれない要素がたくさんあります。

 

そこはもう僕たちの得意な「造りながら考える」です。

 

最初に造った試作を僕たちは「零号機」と呼んでいます。

「零号機」から始まり現在までに計3台の試作を造りました。

ちなみにこのブログの写真の「FUN!HOUSE!SOFA」は3台目の「弐号機」で、現時点で最終形です。

本体としては参号機までですが、その間にクッションは本当に数えきれないほど造ったし、1体の中でもやり直しは数え切れず。

 

そうこうしている間に2年が経ち、先に「FUN!HOUSE!」が完成。

 

まず最初に造った零号機を設置しました。

この「零号機」すわり心地が最高です。

でも背の高さが高く、当初のコンセプトだった「背面からも美しい」かと言ったら、そうではない。

 

つまり座り心地とデザインのはざまは、背の高さと座面のクッション性にあったのです。

 

背面からの美しさを求めるとどうしても高さを低くする必要があります。

僕たちはこれまでの経験から、奥行きと高さは1cm変えるだけでも座り心地は大きく変わることを知っています。

背を低くするには相対して座面の高さを低くすればよい、ただ低くするにも限界がある、ならば座面のクッション性で調整して、できたらしばらく使ってみて…、

 

そんな繰り返しの2年。

 

特に背と座のクッションのクッション性は、微調整と言う微調整を繰り返し、1度できたクッションを裂いて中身の羽毛を数グラム単位で抜いたり足したり、ウレタンと羽毛の配合を調整したり…。

そんなことを繰り返し、この写真のソファ「FUN!HOUSE!SOFA弐号機」が完成し、今我が家で快適に使っています。

背面からの美しさと至極のすわり心地、つまり座り心地とデザインのはざまを見事に表現できたと自負しています!

 

 

ではなぜまだ完成形ではないのか、皆様にお届けできないのか。その要因はずばり「生地」なのです。

 

この「生地」のお話は次回に続きます。

 

FUN!HOUSE!SOFAの進捗報告 Vol.3 ~生地にまつわるエトセトラ。~へ。

 

FUN!HOUSE! SOFAの進捗報告 Vol.1~それぞれの役割。~はこちら。

2017年7月10日

FACTORY&STORE MANUALgraph  代表 鈴木大悟

FUN!HOUSE! SOFAの進捗報告 Vol.1

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~それぞれの役割。~

 

 

MANUALgraph代表の鈴木です。

 

今回ブログタイトルを「FUN!HOUSE!SOFAの進捗報告 Vol.1」としました。

 

以前こちらのブログでも、設計士こぢこぢ一級建築士事務所の小嶋良一さんと一緒に自邸を建てたことは書きましたが、お陰様で様々なメディアでも取り上げていただきました。

 

そしてどの記事にも「自邸と共に小嶋さんと一緒に造ったFUN!HOUSE!SOFAを製作して近々MANUALgraphの商品として販売します。」と書いてあります。

そんな発信を見ていただいて、お問合せをいただいたり、実際にSTOREにお越しいただいて「欲しい!」とおっしゃっていただいたお客様もいらっしゃっいました。

本当にうれしくてありがたい限りなのですが、自邸「FUN!HOUSE!」が完成し早1年、実はまだ販売を開始できずにいます。

それにはいろんな良かったり悪かったりする状況もあり、着手してから2年以上が経ってしまっている状況なのですが、そんなお客様もいる中できちんと状況を説明しようかなと思い筆を執りました。(実際はキーボードですが…。)

 

まず先に現状をご報告すると、もちろん完成・発売に向け日夜努力を続けておりまして、何とか遅くとも年内には皆様にお披露目できるのではないかと言う状況です。

 

このブログを通じて数回に渡りこれまでの経緯と、この先はまだ未来ですが完成するまでの軌跡をせきららにご報告したいと思います。

お待たせしてしまっているお客様には本当に申し訳なく思っていますが、このブログを通じてなぜまだ僕たちが納得のいく形でお届のできるソファになっていないかをご理解いただければと思っています。

 

 

順を追ってお話ししますと、我が家を建てようと思い小嶋さんにコンタクトを取ったのが2014年の5月。

 

設計をしていただくうえでの最初の条件が「MANUALgraphのコンセプト[FUN!SOFA!] を体現できるソファを中心に家族がFUN!に暮らす[FUN!HOUSE!]を建てたい、ついてはこの家の為の特別なソファを一緒に造ってほしい!」と言うことでした。

そして設計を進めてある程度詰まった段階で、ソファの開発も始めました。

 

まずは小嶋さんと共にコンセプトを決めます。

 

小嶋さんとのセッションの中で、小嶋さんから「背面から見ても美しいソファ」という話がありました。

日本の住宅では確かにソファは壁面にテレビがあってそちらを向いて設置することが多く、ある程度施工も進んでいた「FUN!HOUSE!」も壁を向いてほぼリビングのど真ん中にソファが配置される設計になっていました。

確かにMANUALgraphでもこれまで背面からの見栄えと言うのはあまり重視していなかった、建築士さんならではの視点だなぁと感心しました。

 

小嶋さんと僕とで様々なソファの画像を共有し、そして最初の図面が上がってきました。

そこには小嶋良一らしい、奇をてらうことのないスタンダードなデザインが描かれていました。

家づくりをしている過程でその「普通」が細かなディティールへのこだわりで「洗練されたもの」へと移り変わらせるのが小嶋さんの仕事です。

 

そしてそれを実物にするのが僕たちMANUALgraphの仕事であるということがこの時点で明確になりました。

 

Vol.2 ~座り心地とデザインのはざま。~ へ続く。

 

2017年6月1日

FACTORY&STORE MANUALgraph  代表 鈴木大悟

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