地方にひとつしかないお店が考えた、お店に来なくてもソファを体感してもらえる方法。

皆さんこんにちは。
MANUALgraphのPR大使こと佐野です。

都内の人気カフェをMANUALgraphのソファが占拠するプロジェクト「LOMOND TARTAN JACK @TOLO COFFEE&BAKERY」が11/6をもって終了いたしました。

このプロジェクトに至った経緯は以前ブログでご紹介しておりますので、ぜひご覧いただければと思います。
地方のソファ専門ブランドが都内の人気カフェを「占拠」すると? >>

この企画を行う上で外せないのが、本文中でも紹介しているExperience Spotの存在。
そこで今回は、Experience Spotとはいったい何なのか?についてお話したいと思います。

Experience Spot、僕たちは「体験する場所」と位置付けています。
わかりやすく言うと、ここ裾野のお店以外でMANUALgraphのソファを体験できる場所のことで、現在は都内を中心に7箇所あります。
MANUALgraph Experience Spot 一覧はこちら >>

スポットを設けた理由には、ブランドの根幹でもある「卸をしない」ということがが大きく関係しています。

中間比較のコピー (1)

この図のように、従来のブランドは作り手と売り手が別々に存在していて、その間には卸問屋がいます。
一方でMANUALgraphは卸問屋をはさまない、いわゆる工場直販の体制をとっています。

なぜ卸をせず自分たちで販売する方法を選んだのか。
それは、「品質の良いソファを適正な価格でお届けしたい」という想いがあるからです。

卸をしないことによって、中間マージンが商品に加算されないので、ソファ本来の価格でお客様にご提供することができます。

しかし、工場直販の体制をとる(卸をしない)ということは、小売店への流通が一切ないということでもあります。
そうなると、商品そのものに触れる機会はもちろん、知ってもらえる機会も圧倒的に少なく、そもそもブランドの存在すら知られていないことがほとんどです。

さらにMANUALgraphは、静岡県内でもややマイナーな裾野市という場所にある上に、住宅街という非常に分かりにくい場所にお店を構えています。

仮に僕たちの存在に気付いてもらえたとしましょう。
その次に立ちはだかるのが「ソファの座り心地」という壁です。

ホームページやSNSなどのメディアを駆使して品質の良さをお伝えすることは可能ですが、「座り心地」というのは伝えることが非常に難しい部分です。

座った際のクッションの沈み込みが分かる写真を撮ってみたり、何とか文章で伝えようと工夫はしているものの、感じ方や好みなどの個人差もあるため、なかなか伝えきるということができません。

お店になかなか来られない方にソファの座り心地を伝えるにはどうしたらいいか。

例えば化粧品だったら、まずサンプルを頼んで実際に使ってみて気に入ってから購入する、ということができます。

しかしソファは化粧品のようにはいきません。
一定期間お貸出しして気に入ったら購入してもらうというのは、僕らのような小さなブランドにとってはコストもリスクも高すぎます。

お店までに来て実際に座り心地を確かめてもらいたいというのが本音ですが、それをお客様にそのまま伝えるのは気が引けるというのもまた本音です。
でもやっぱり実物に座ってもらいたい。さて、どうしたものか…。

画像3

まず取り組んだのが、MANUALgraphのある裾野市周辺の地域の魅力を発信することです。
せっかく来ていただいたのだから、ここ静岡東部をしっかりと満喫していって欲しいという思いもあります。

こちらに来てくださいと言ってみたものの、時間もお金もお客様にご負担いただかなくてはなりません。

考えすぎかもしれませんが、この何とも言えないもどかしい状況の中でやっとたどり着いたのが、「県外でもMANUALgraphを試し座りできるスポットを作ってしまおう」という発想でした。

ここからの展開はあっという間でした。
座って試していただく場所として特に相性の良いカフェとの提携が成立し、一部ではありますが、コストをかけずに県外でも座り心地を試してもらえることが可能になりました。

こうしてできたのがExperience Spotです。

本来であれば静岡でしか確かめることのできなかったソファの座り心地を、県外でも確かめることができる。
そして、ソファを通じて私たちのものづくりの一端に触れていただける、そんな場所になりました。

コロナウィルスの影響からインターネットを通じたコミュニケーションはこれまで以上に加速し、リアル店舗での体験をオンライン上でも求められるような時代がやってきました。

追い風となる商品やサービスがある一方で、僕たちのような地方にしかないお店、尚且つ座り心地という「感覚」が決め手となるソファは、なかなか苦しい状況下にいます。

これに負けず、工場直販だからこそ実現できる品質と価格を維持するためにも、Experience Spotのような体験できる場というのを充実させていきたいと考えています。

ぜひ今後の展開にもご期待ください。