FUN!HOUSE! SOFAの進捗報告 Vol.2
Vol.2 ~すわり心地とデザインのはざま~
前回では「FUN!HOUSE!SOFA」開発からデザインまでをお話ししましたが、Vol.2では試作を始めた過程をお話ししたいと思います。
デザインが上がり、まず1回目の試作を始めました。
ソファは、ざっくり言うと木と布とウレタンと綿と羽、その他様々な素材が重なり合ってできています。
特に生地の風合いだったり、クッションの微妙なまるみだったりふくらみだったり、
図面では表現しきれない要素がたくさんあります。
そこはもう僕たちの得意な「造りながら考える」です。
最初に造った試作を僕たちは「零号機」と呼んでいます。
「零号機」から始まり現在までに計3台の試作を造りました。
ちなみにこのブログの写真の「FUN!HOUSE!SOFA」は3台目の「弐号機」で、現時点で最終形です。
本体としては参号機までですが、その間にクッションは本当に数えきれないほど造ったし、1体の中でもやり直しは数え切れず。
そうこうしている間に2年が経ち、先に「FUN!HOUSE!」が完成。
まず最初に造った零号機を設置しました。
この「零号機」すわり心地が最高です。
でも背の高さが高く、当初のコンセプトだった「背面からも美しい」かと言ったら、そうではない。
つまり座り心地とデザインのはざまは、背の高さと座面のクッション性にあったのです。
背面からの美しさを求めるとどうしても高さを低くする必要があります。
僕たちはこれまでの経験から、奥行きと高さは1cm変えるだけでも座り心地は大きく変わることを知っています。
背を低くするには相対して座面の高さを低くすればよい、ただ低くするにも限界がある、ならば座面のクッション性で調整して、できたらしばらく使ってみて…、
そんな繰り返しの2年。
特に背と座のクッションのクッション性は、微調整と言う微調整を繰り返し、1度できたクッションを裂いて中身の羽毛を数グラム単位で抜いたり足したり、ウレタンと羽毛の配合を調整したり…。
そんなことを繰り返し、この写真のソファ「FUN!HOUSE!SOFA弐号機」が完成し、今我が家で快適に使っています。
背面からの美しさと至極のすわり心地、つまり座り心地とデザインのはざまを見事に表現できたと自負しています!
ではなぜまだ完成形ではないのか、皆様にお届けできないのか。その要因はずばり「生地」なのです。
この「生地」のお話は次回に続きます。
2017年7月10日
FACTORY&STORE MANUALgraph 代表 鈴木大悟